麹町相続研究所

アラサー税理士が、相続、贈与、事業承継について考える

タワマン節税が否認された事例とされる平成23年7月1日裁決①

こんばんは、税理士のカワサキです。

今回から複数回にわけて、タワーマンション節税が否認された事例としてよく紹介される、国税不服審判所における平成23年7月1日裁決について見ていきます。

まずは、この裁決にあたって重要となる点を時系列に列挙します。

1. 平成19年7月4日、被相続人Aは入院した。

2. 平成19年8月4日、被相続人A名義でタワーマンション30階の1室(本件マンション)を2億9300万円にて購入する売買契約が締結された。

3. 平成19年8月16日、被相続人Aが売買代金の残代金を支払った(頭金は事前に支払済み)。

4. 平成19年9月中、被相続人A死亡。

5. 平成19年11月13日、相続人Bが本件マンションを相続により取得。

6. 平成20年7月23日、相続人Bが第三者に本件マンションを2億8500万円にて売却する売買契約が締結された。

7. 相続人Bは、財産評価基本通達に基づき本件マンション評価して相続税の確定申告を行った。財産評価基本通達に基づく本件マンションの評価額は約5800万円であった。

8. 国税当局は、被相続人Aから相続人Bに対して当該タワーマンションの取得に係る代金相当額の贈与があったものとみなされるため、その代金相当額を相続開始前3年以内の贈与財産として相続税の更正処分を求めた。

といった感じです。

被相続人Aはタワーマンション購入から1か月余り後に死亡しており、本件マンションを相続した相続人Bは取得後1年以内に本件マンションを売りに出していることがわかります。また、これは争点の一つともなっていますが、被相続人Aは平成18年6月頃から認知症と思われる症状が認められており、本件マンション購入時点では意思無能力者であったと判断されています。つまり、本件マンションの購入は、被相続人Aが自身の判断で行ったものではなく、唯一の相続人である相続人Bが相続税を節税するために行った取引であるということになるのです。