麹町相続研究所

アラサー税理士が、相続、贈与、事業承継について考える

タワーマンション節税②

おはようございます、税理士のカワサキです。

前回ご紹介したタワーマンション節税ですが、今日はタワーマンション節税の問題点を考えていきたいと思います。

タワーマンションの購入が節税策の手段として利用されるのは、タワーマンションの取引価額と相続税評価額の差が大きいことである点は前述のとおりです。実は、このような節税策は、バブル期にも不動産を中心に多くの財産について採用されていたものであり、また、それぞれについて規制措置が採られてきたものなのです。

しかし、バブル期には存在した「不動産の取得後3年間の相続については当該不動産の取得価額で課税する」という旧措置法69条の4は平成8年に廃止されており、それ以降、相続税対策としての不動産取得に法的な規制が存在しないという事情があります。

したがって、国税がタワーマンションの取得による節税を否認する手段は、それぞれの取得の実態に応じて、①同族会社等の行為又は計算の否認規定の適用、②仮装行為の否認、③評価通達6項の適用等しかありません。しかも、これらの否認規定は、きわめて抽象的な適用要件であるため、国税もこれらの否認規定を適用することには慎重にならざるを得ません。

実務的にも、これらの規定の適用で否認を受けるケースは稀であり、タワーマンション節税に限らず、これらの規定により否認された経験を持つ税理士もほとんどいないのではないかと思います。少なくとも私の経験ではありません。タワーマンションによる節税を封じることはそんなに簡単なことではないのです。

タワーマンション節税が否認されたケースとして、平成23年7月1日裁決がよく紹介されていますが、個人的にはこの裁決をもってタワーマンション節税が否認されたと考えるのは筋が悪いと思います。なぜそう考えるかはまた別の機会にでも書きます。

とはいえ、タワーマンション節税にリスクがないかと言われると必ずしもそうではなく、時には課税上のリスクが伴うこととなります。特に相続開始直前に取得し、相続開始直後に譲渡するようなケースでは注意が必要かと思います。

さらに、タワーマンションの購入については、これらの課税上の問題のみに目を奪われてはいけません。不動産市況にも注意が必要です。節税額よりもマンションの値下がり損が多額になるようであれば、元も子もありません。値下がりしない物件を選ぶことも非常に重要であるといえます、もちろんそれが簡単なことではないのですが。