麹町相続研究所

アラサー税理士が、相続、贈与、事業承継について考える

旧措置法69条の4

おはようございます、税理士のカワサキです。

今日はタワーマンション節税の記事でも登場した「旧措置法69条の4」について。

まずはこの規定ができた背景ですが、昭和の末期から平成の初期にかけてのいわゆるバブル期においては、不動産について、相続税評価額と取引価額の差を利用した節税案が提案され、それが不動産等の需要を高めて更にバブルを煽る原因になったようです。現在の東京湾岸タワーマンション乱立エリアもこれに近い状況になっているのではないでしょうか。

当時、不動産の取引価額に対し、路線価等の相続税評価額が非常に低かったため、相続開始前の不動産の取得が節税策の一つとして極めて有効であり、多くの専門家によって勧められたようです。このような節税策は、最も単純でポピュラーなものでしたが、不動産の需要を高め、地価を一層高騰させるということで、政府からも問題視されていました。

このような節税策に対して、昭和63年12月に制定された租税特別措置法69の4(以下「旧措置法69条の4」)は、昭和63年12月31日以降取得した不動産については、取得後3年間は路線価等で評価せずに取得価額をもって相続税を課税することとしたのです。しかし、旧措置法69条の4は、バブル崩壊後、相続税額が相続財産の時価を上回るというとんでもない事件もあって、平成8年に廃止されました。

法人が取得する不動産については、取得後3年間は取得価額をもって評価するという通達がありますが(財産評価基本通達185)、個人が取得する不動産については、直接的な規制措置が設けられていないという事情があります。

この状況を上手く活用しているのがタワーマンション節税であるといえますね。