麹町相続研究所

アラサー税理士が、相続、贈与、事業承継について考える

生前贈与

こんにちは、税理士のカワサキです。

今日は、相続税の節税策として長く活用されている生前贈与について解説します。

贈与税の各年ごとの基礎控除額は110万円となっています。つまり、次世代に対し基礎控除額以下の贈与を早い段階から実行することは相続税対策の一つとして非常に有効です。毎年100万円の贈与であっても、20年、30年と続けることで1円の贈与税も発生させずに2,000万円、3,000万円という金額を次世代に引き継ぐことができるのです。まさに「小さなことからコツコツと」です。タワーマンション節税のように法律の隙間をつくようなものではないため派手さはありませんが、最も堅実な節税策の一つと言えるでしょう。

資産規模が大きく、数億円あるような方は多少贈与税を払ってでも基礎控除額を超えた贈与を行い、将来の相続税を抑えた方がトータルで払うべき税額を抑えられるケースも多いです。

生前贈与はその贈与期間が長いほど、税金の総額を抑えることができます。被相続人が健康で長生きすることこそが、一番の相続税対策であるとも考えられます。

ただし、生前贈与に関して注意しなければならないポイントもあります。

(1) 相続税対策を生前贈与だけで行おうとすることは、非常にリスクが高いと言えます。なぜなら、被相続人が不慮の事故で急逝された場合等、計画どおり贈与を行う前に被相続人が亡くなることがあるからです。死ぬタイミングは基本的には選べません。このような場合に想定以上の相続税がかかることが考えられます。

(2) 毎年贈与を行う都度、贈与契約書を作成し、また銀行振込などによって、その事実を明らかにしておくことが得策と言えるでしょう。契約を交わしていない銀行振込は、贈与が成立していないとみなされる可能性がないとは言えません。また、贈与を受けた預金については、その受贈者が管理を行っていないと、被相続人の「名義預金」として相続税の課税対象に含まれてしまう可能性もあります。

(3) 早い段階から贈与を行うことで、相続税の総額を減らすことは可能ですが、老後における想定外の資金需要に対応できない可能性があります。また、受贈者である子ども等が資産を無駄遣いし、将来の相続税の納税資金が足りなくなる懸念もあります。

贈与をする場合には、しっかりとその活用方法を関係者で話し合い、お互いのライフプランを共有していくことがとても重要です。